民法ノート

司法書士 石原幹司郎の民法ノートです。
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Note一覧

民法33「家督相続⑩」


rental;wikipedia,「城崎温泉/絵葉書」https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kinosaki_onsen.jpg

家督相続と戸籍編成

旧戸籍法の規定による家督相続人からの届出があれば、その旨の記載がなされ、新しい戸主のために新戸籍が編成される。

死亡による家督相続の場合の記載例
明治31年式戸籍では「戸主の氏名欄、左側面に戸主となった年月日・事由」この際の戸主となった年月日とは「相続放棄のできない法定推定家督相続人の場合は前戸主の死亡年月日」「相続放棄をすることができる家督相続人の場合は相続承認の年月日」とされていたが、大正3年式戸籍では前戸主の死亡の年月日に統一された。なお、この場合の従前の戸籍の記載は、市区町村長限りの職権により訂正することが認められていた。

参考 旧法(明治民法)兵庫県司法書士会

 

民法改正案 債務不履行による損害賠償とその免責事由

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rental;wikipedia ソロモン諸島の国章:goo.gl/U3KSoE

債務不履行による損害賠償とその免責事由(民法第415条1項関係)

民法第415条1項の規律を次のように改めるものとする。

【改正案】新設
第415条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

【ポイント】
債務不履行と履行不能の抗弁を明確化、免責事由の立証責任を明確化。いずれも「~債務者の責め」でないことを債務者が証明すれば責任を免れる。

参考 日本司法書士会連合会 民事法改正対策部資料  

民法改正案 履行請求権等

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rental;wikipedia : バチカンの国章→goo.gl/xgI5Rl

履行の不能

履行の不能について、次のような規律を設けるものとする。

【改正案】新設
第412条の2 債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能であるときは、債権者は、その債務の履行を請求することができない。

【ポイント】基本的ルールを明文化。任意規定である。「債権者は債務者に対して、その債務の履行を請求することができる」が大前提。「不能であるとき」とは、原始的不能と後発的不能とを区別しない。不能が債務者の責めに帰すべきものであれば、債務者は履行に代わる損害賠償債務を負担し、債務者の責めに帰することができないものであれば、債務者は反対給付を受ける権利を失う。(ただし、債権者の責めに帰すべきものであるときは、なお反対給付を受ける権利を有する。)

履行の強制(民法第414条関係)

民法第414条第1項の規律を次のように改めるものとする。

【改正案】
第414条 債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定に従い、直接強制、代替執行、間接強制その他の方法による履行の強制を裁判所に請求することができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 前項の規定は、損害賠償の請求を妨げない。

【ポイント】直接強制に限られないことを明示。
現行2項と3項は、民事執行法に一元的に規律。代替執行や意思表示の擬制は民事執行法に置いた方が民法と民事執行法の役割分担が明確になる。

【参考】現行第414条2項、3項→削除
2 債務の性質が強制履行を許さない場合において、その債務が作為を目的とするときは、債権者は、債務者の費用で第三者にこれをさせることを裁判所に請求することができる。ただし、法律行為を目的とする債務については、裁判をもって債務者の意思表示に代えることができる。
3 不作為を目的とする債務については、債務者の費用で、債務者がした行為の結果を除去し、又は将来のため適当な処分をすることを裁判所に請求することができる。

参考 日本司法書士会連合会 民事法改正対策部資料

民法改正案 法定利率2

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rental;wikipedia : グアテマラ共和国の国章 goo.gl/DofwW6

金銭債務の損害賠償額の算定に関する特則(民法第419条第1項関係)

民法第419条第1項の規律を次のように改めるものとする。

【改正案】
金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。

【改正前】
金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。

中間利息控除

中間利息控除について、次のような規律を設けるものとする。

【改正案】新設 判例(最判平成17年6月14日)の明文化か?
第417条の2 将来において取得すべき利益についての損害賠償の額を定める場合において、その利益を取得すべき時までの利息相当額を控除するときは、その損害賠償の請求権が生じた時点における法定利率により、これをする。

2 将来において負担すべき費用についての損害賠償の額を定める場合において、その費用を負担すべき時までの利息相当額を控除するときも、前項と同様とする。

民法改正案 法定利率

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rental;wikipedia キプロスの国章 goo.gl/Yty72A

変動制による法定利率(民法第404条関係)民法第404条の規律を次のように改めるものとする。

【改正案】
第404条利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、その利息が生じた最初の時点における法定利率による。

2 法定利率は、年3パーセントとする。

3 前項の規定にかかわらず、法定利率は、法務省令で定めるところにより、3年を1期とし、1期ごとに、次項の規定により変動するものとする。

4 各期における法定利率は、この項の規定により法定利率に変動があった期のうち直近のもの(以下この項において「直近変動期」という。)における基準割合と当期における基準割合との差に相当する割合(その割合に1パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)を直近変動期における法定利率に加算し、又は減算した割合とする。

5 前項に規定する「基準割合」とは、法務省令で定めるところにより、各期の初日の属する年の6年前の年の1月から前々年の12 月までの各月における短期貸付けの平均利率(当該各月において銀行が新たに行った貸付け(貸付期間が1年未満のものに限る。)に係る利率の平均をいう。)の合計を60で除して計算した割合(その割合に0・1パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)として法務大臣が告示するものをいう。

(注)この改正に伴い、商法第514条を削除するものとする。

【現行】
第404条利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、年5分とする。
(参考)商法第514条商行為によって生じた債務に関しては、法定利率は、年6分とする。

【ポイント】現行は年5%(商事法定利率年6%)の固定制である。法定金利と実勢金利の乖離が大きいことから、固定制を廃止して短期(貸付期間が1年未満)の市場金利に連動する変動制になる。ただし、3年毎に見直しが行われるため、市場金利に比べて変動の頻度は少ないものとなる。

参考 日本司法書士会連合会 民事法改正対策部資料