富士山古墳出土 家形埴輪
【とちぎ探訪】壬生町羽生田
年末に、羽生田古墳群を散策しておりましたところ、茶臼山古墳入口にて当地区古墳群マップが配布されておりました。そこで、当該資料に基づき当地区古墳群解説の概要を転記します。
羽生田地区の古墳群
羽生田地区においては、6世紀の後半に入り、突如として丘陵状に茶臼山古墳と富士山古墳が築かれます。
両古墳とも大型の埴輪群を持つことが判明していますが、新旧関係については不明です。
両古墳から出土している板格子飾りをもつ家形埴輪のつくりから、茶臼山古墳が先に築かれたと考えられています。
続いて、埴輪を立てる風習がなくなった後に、長塚古墳、さらに最後の古墳として桃花原古墳が造られたと考えられています。
羽生田地区には現在、大小合わせ約50基の古墳が確認されています。
茶臼山古墳(国指定史跡)6世紀後半
2段に造られた全長91mの前方後円墳。堀、土塁を含めると全長140m
明治年間に行われた発掘調査で、富士山古墳と同様の組み合わせ式の家形埴輪と大型の円筒埴輪列が確認されています。
富士山古墳(県指定史跡)6世紀後半
2段に造られた直径86m、長さ12mの円墳。平成5年の調査で、国内最大級の家形埴輪(写真)や県内最大の円筒埴輪列が確認されました。
人物や動物の埴輪も確認されました。
長塚古墳(県指定史跡)6世紀末~7世紀初め
2段に造られた全長77m、高さ7mの前方後円墳。墳丘の周囲には周溝がありましたが現在は失われています。平成12年の調査により幅6m、深さ1.5mの堀が確認されました。
桃花原古墳 7世紀前半
3段に造られた直径63m、高さ5mの円墳。平成13年の調査により、墳丘を覆う葺石や前庭が確認されました。死者を葬った石室の存在も明らかになりました。
鉄剣や帯金具などの副葬品も確認されています。
亀の子塚古墳
全長35mの帆立貝方前方後円墳。人物や動物の埴輪、墳丘の葺石が確認されています。